December 29, 2006

Jun Murakawa氏のmixi 日記より

以前ここでご紹介したLAのレコスタでご活躍中のJun Murakawa氏が書くmixi日記は現場での話がとても興味深くまた面白いです。
一つご紹介しちゃいましょうか♪

----
今日はひさびさにロベンフォードと仕事でした。彼のいつもの「とにかくジャムってみようよ!何か出て来るかもよ!」的な仕事ではなくて、彼の来年リリースのアルバムのお仕事です。アレンジもわりとしっかり決まって、ミュージシャンも一流どころばかり。ファーストテイクでほぼ決めてきますな、みなさん。

今回、何よりも驚いて、ちょっとショックだったのは、エンジニアのNiko Bolisって方のドラムのマイキング!!この方 いわゆるオールドスクールのエンジニアでこの間まで僕が一緒に仕事してたDon Smithと同世代、クライアントもそうとうかぶってるんですが、すんげえ!すんごいですよ、昔の人はやっぱ!!マイク3本録り。いわゆる、ジミヘンのドラムとかもこのやり方だった、トップに1本、サイドに1本、フロントに1本、というもの。(これだけでわかる人にはもう分かってると思うんですが。)そう、このテク自体は今でも時々見かけるもの、別にショックを受けるほどの事でもない。(俺もやったことあるし..) 驚いたのはトップとサイドが421だ、ということ。そんでもって、この2本のマイクだけで、キックとタムの音量も音圧も既に完全に出来上がってる、ということ!(マイク前に立ってないのに、なんでこんなにキックの音圧出せんねん!!)しかも ノーコンプ!!

dるm.jpg

途中でNikoに「このやり方自体何度も見た事あるけど、こんな音にしたのは あんたが初めて!!!一体何が違うの?他の人と??」と聞いたら、「ドラムの音をね、ドラマーの側に座って聞くんだよ。そんでもって ドラムセットをちょっとずつ動かして一番の気持ちのいいところを探すのさ!30センチ動けば全然音かわっちゃう事あるからね〜〜。一番気持ち良く叩ける場所探して、あとはマイクセットしておしまい!!」ったって、あんたほとんど時間つかってなかったやんけ!(ドラムの音作りに費やした時間、多分3分ぐらいだと思う。はやすぎる.....) そのスイートスポット探しに!!そんな簡単に見つかるもんなのか??だとしても、マイク立てただけであーはならんぞ、普通.... 年寄りはすごい......

---
最初421を立てて!と言われた時、「このおっさんあたまおかしんちゃうか!?」と思いましたよ!で実際立ててみて、「この、おっさん人まねでこういうことすんの、やめよ〜や。」出てきた音聞いて「まいりやした〜〜!!!」でしたね。

なんかの間違いだと思って一応ドラム全部マイキングしておいといたのね、俺。そしたら、朝やってきて、「Donはそうとうおめえのことを買っていたけど、まだまだなあ〜、だから、3本しかいらねえんだよ」って言われて、俺が「じゃあ、今すぐ全部外すよ」って謝ったら、「あ〜いいいい。全部そのままにしとけや。マイクが3本しか立ってないと俺がちゃんと仕事してないように思われるだろ!」だって。。。そんでもって、アンプのブースもB-3のブースも全部開けっ放し!俺が、「そろそろリハ終わってほんちゃんだから、ブースの戸閉めてくんね!」って言ったら、「Fuck you!!!ほっとけよ、もれてなんぼじゃ!」だってさ。こんな潔い仕事、してみてえ!!!